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GSK3βで示すサノフィ研究戦略

Lesuisse D, Tiraboschi G, Krick A, et al. Design of potent and selective GSK3beta inhibitors with acceptable safety profile and pharmacokinetics. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2010;20(7):2344-9.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20189807

その昔、中枢薬で圧倒的な実力を顕示してきたサノフィであるが、国柄と国民性の為か、英文ジャーナルにそのストラテジーを公開する事はこれまでほとんどなく、その研究戦略は未知数であった。その中で最近報告されだした中の一つがこのGSK3β阻害薬であるが、その論理の展開の仕方は他の報告と違って独特でもあり合目的でもある。まずはケモタイプの問題点の洗い出し(Table 1)、溶解度や代謝安定性、Caco-2での膜透過性とCYP各種の阻害、hERG阻害、さらにはリードの段階でAmes試験までチェック。問題点を代謝安定性とCYP阻害、溶解度と割り出してCYP阻害について60化合物をプロファイリング。CYP1A2に課題がある事を確認。その後の最適化でCYP1A2に集中した検証をしており、無駄な評価系を削除して必要なアッセイのみ検討するという効率の良さを示している(Table 4)。同時にTDIのリスクもチェックしていて、これは構造起因、すなわちフェノールやフランであり、フランはエポキシドとオキシレン、開環してジケトンを生成するメカニズムで説明できる事から構造で脱却する方針を示す。CYP1A2に関しては、脂溶性との相関、そしてモデリングでππ相互作用も鍵になっている事を示した上で、QSARモデルを立て、予測値と実測値の相関の高い式を提案(Fig. 2)、モデルから狙うべき置換基の方向性も予測(Fig. 3)。PKは効率的にカセットを利用して問題点を把握、代謝安定性の低さは化合物原体のグルクロン酸包合として、不安定と推定されるアミド(1級>2級>芳香性と仮説を立てて)への変換に注力。今回見いだされた化合物からベスト化合物39は脳内移行性が0.2であるがこれでビボを検証し、10 mg / kgでタウリン酸化を21-53%押えている事を確認。最初に全体像の把握、ラショナルな方針、不必要なアッセイの排除により、ロジカルに研究を進めている。
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