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LLE5がファイザー基準

Ryckmans T, Edwards MP, Horne VA, et al. Rapid assessment of a novel series of selective CB(2) agonists using parallel synthesis protocols: A Lipophilic Efficiency (LipE) analysis. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2009;19(15):4406-9. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19500981.

この報告ではLLEを利用したフォーカスライブラリー合成と有望な化合物選択の方法論の一つを示している。メディシナルでは、脂溶性が高く分子量が大きいと経口吸収性が低くなりがちである、というのが一般的に受け入れられている教義である。脂溶性が高いと肝代謝を受けやすくオフターゲットに対してプロミスカスに作用しやすくなり、逆に脂溶性が低すぎると膜透過性が低くなってしまい、バランスの良いプロファイルはclogPが2-3にある。一方で薬物の蛋白結合の主な駆動力は分子の脂溶性による疎水性相互作用であり、とりわけCB2作動薬は内因性リガンドが高脂肪酸である為に、高活性化合物は脂溶性が高くなりがちで代謝を受けやすい傾向にある。よって、ライブラリー合成の目標の一つは脂溶性と活性の相関を脱却する方向性を見いだす点にある。実際のライブラリー合成では、clogPが0-5のレンジで、分子量は500以下になるように試薬を選択した。脂溶性と活性を併せ持つ指標として、脂溶性効率を採用した。これは、2007年にアストラの研究者がネイチャーに報告したもので、製薬各社は未だに脂溶性の高い分子を合成する傾向にあるので、この解消の為に、ライブラリー合成時のリード選択や最適化の指標として提案したパラメーターである。Fig.5に示されたcLogPと活性値にプロットされた化合物(置換様式に応じて色分け)を比較すると、化合物の傾向を掴む事が出来、脂溶性効率の軸に照らし合わせてみれば、活性と脂溶性の相関のデカップリングできる切り口、すなわち活性を保持したまま脂溶性を低減させる抜けどころが解析できる。また、もう一つの有意義な情報は、以前の報告のとおりclogPが3を越えると動物での毒性試験で副作用が出る確率が高まる事もあって、ファイザーでは候補化合物を選定する際に、脂溶性効率が最高値かそれに近い化合物を選んでいる、というインハウス情報である。LLEが5以上であればその化合物はプロミッシングとしており、参考にしておきたい。ファイザーではアストラゼネカとは独立してこのパラメーターを導入した、とする最初の報告である。
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