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ターゲットのドラッガビリティを定量化;バインダビリティ

Sheridan RP, Maiorov VN, Holloway MK, Cornell WD, Gao Y-D. Drug-like Density: A Method of Quantifying the “Bindability” of a Protein Target Based on a Very Large Set of Pockets and Drug-like Ligands from the Protein Data Bank. Journal of Chemical Information and Modeling. 2010:101026130642041.
Available at: http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ci100312t

創薬ターゲットとなる蛋白のドラッガビリティの指標の一つとして、低分子リガンドの取り扱いやすさとして「Bindability」を提案する。バインダビリティのパラメーターとしてDLID(drug-like density)をリガンド結合ポケットの体積、占有性、脂溶性によって
DLID = -8.70 + 1.71 log (volume) + 3.94 (buriedness) + 2.27 (hydrophobicity)
と定義する。
プロテインデータバンクに登録された55000種類の結晶情報から分解能3Å以下の42000を抽出し、結合ポケットの同定できる29000種類を解析した。
この手法ではGPCRのような結晶情報のないタンパクは解析できず、またプロテインデータバンクにはノンドラッガブルターゲット自体の登録が少ないという点でリミテーションがあるが、傾向を掴む事は可能である。Table 1では、
DLID>0.5:グリーン、
0.5>DLID>0.2:イエロー、
DLID<0.2:レッド
とする。
この際に、Chenらによって提唱されたドラッガビリティパラメーターMAPPODでdruggableならグリーン、difficultならイエロー、undruggableならレッドで併記している。
その結果、ここで提案したDLIDとMAPPODの間には良好な相関が確認された。

ここで議論されるように、バインダビリティは結合リガンドの扱いやすさの指標になるが、一方でHIVインテグラーゼ阻害薬のようにバインダビリティ、Chenらのドラッガビリティの指標が低くてもラルテグラビル(MK-0518)のように新薬として創出されている事例があり、決して創薬ターゲットの可能性を否定するものではない点には留意が必要である。
また、カテプシンK阻害薬やHCVプロテアーゼ阻害薬のようなバインダビリティがイエローのターゲットでも、ボセプレビルやテラプレビルといった共有結合モディフィア阻害薬によって結合活性を獲得できるケースがある。バインダビリティがボーダーラインのDPP4やBACE阻害薬は、ポケットの極性が高いが、DPP4ではシタグリプチン(MK-0431)が上市に成功している。一方でBACE阻害薬の場合は、ポケットの極性が高いだけでなく、脳内移行性を獲得する必要があるという点でより困難であり、ターゲットと適応疾患によって状況は変化しうる。
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