スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

共役系伸張がピリジンCYP阻害減弱:PF-2545920

Verhoest PR, Chapin DS, Corman M, et al. Discovery of a novel class of phosphodiesterase 10A inhibitors and identification of clinical candidate 2-[4-(1-methyl-4-pyridin-4-yl-1H-pyrazol-3-yl)-phenoxymethyl]-quinoline (PF-2545920) for the treatment of schizophrenia. Journal of medicinal chemistry. 2009;52(16):5188-96.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19630403

ファイザーの統合失調症治療薬を指向したPDE10A阻害薬の第1世代の報告。初期のヒット化合物ターアリールイミダゾール構造1でPDE10Aとの共結晶が得られており、PDE10Aに特徴的なM-ループ側のポケットの利用、チロシン693との水素結合、またGln-726との水素結合を利用せず側鎖とアミンーπ相互作用する事などがサブタイプ選択性に寄与する事が示唆された。PDE5阻害薬バイアグラのような分子量とTPSAの大きな分子は中枢薬に相応しくないとし、低分子でClpgP<4を目指してHTSを見直したところ、分子量400以下で11nMの活性を示すピラゾール系化合物2を見いだす事ができた。共結晶からキノリン部分が選択性ポケットに相互作用していた。4位ピリジルメチルはCYP3A4阻害作用が強いが、これをピラゾール直結にすると立体的に込み入る効果と共役系が伸びる事でピリジンの配位能が失活する効果によってCYP3A4阻害が10μM以下と減弱した。共役系の伸張がパラ位のピリジンでもCYP阻害を減弱させられるナレッジが効いている。また、得られた化合物3は0.42 nMの強力な活性でリガンド効率も0.45と優れていた。ただし中枢移行性が不十分なので、これを解消する為に水素結合ドナーであるピラゾールNHをメチル化したPF-2545920で活性は向上し、MDRでのPgp排出比率は減弱、脳内濃度が改善してED50値1 mg / kgという魅力的な薬効を確認した。この作用はPDE10Aノックアウトマウスで見られない事から、PDE10A由来の作用と言える。ピラゾール部分はイソオキサゾールやピリミジンに変換する事ができない。パラ位のピリジンは水分子を介した水素結合によって酵素と相互作用しているが、これをピリミジンやピリダジンにすると活性は減弱した。これは計算から推定された水素結合能の強さと相関があった。キノリン部分を他のヘテロ環に変換すると代謝安定性を改善する事ができ、脂溶性も低下してLLEに優れた置換基も見いだされたが、薬効面ではキノリンには勝らなかった。候補化合物はサブタイプ選択性が1000倍以上と優れており、それ以外のオフターゲットに対しても選択性は高く、薬物動態面でも良好であったので、ヒトでのPOC取得に優れた化合物として臨床化合物に選定した。
スポンサーサイト

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

Secret

プロフィール

Janus

Author:Janus
趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。