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5-HT2c作動薬:CYP自殺基質がAMESフォールス・ネガティブを導く

Kalgutkar AS, Bauman JN, McClure KF, et al. Biochemical basis for differences in metabolism-dependent genotoxicity by two diazinylpiperazine-based 5-HT2C receptor agonists. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2009;19(6):1559-63.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19246199


 ファイザーで見出したピペラジン系化合物5-HT2c作動薬1はAmes試験陽性で癌原生リスクが懸念された。その原因は、クロロベンジル部分がヒドロキシル化、続くβ脱離によって形成されるキノンメチド、また、ピペラジン部分の酸化的代謝によって生成するアルデヒドの活性代謝物がDNAとの反応に関与していると考えられた。このようなバイオアクティベーションのリスクを回避する一般的戦略は、毒性の起点となる官能基を除去するか、バイオアクティベーション部位の近傍に代謝的なソフトスポットを導入する方法がある。キノンメチド形成の問題はメチル基を一つ増炭する事で回避する事ができた。一方で、ピペラジン環部分の変換を行うには、5-HT2cのSARとの間で深刻なジレンマがあった。すなわち、バイオアクティベーションを回避しようとピペラジンをピペリジンに変換したり、ピペラジンNのα位をメチル基でブロックしても活性は減弱/消失してしまう。このような背景のもと、ブレイクスルーとなったのは、3級アミンのα位にメチル基を導入した化合物5でAmes試験が陰性になった点である。しかし、化合物5は、ピペラジン由来のバイオアクティベーションは回避できていない。バイオアクティベーションとAmes試験の乖離をさらに調査した。まず、化合物5は溶解度が低く、化合物が析出した為にフォールス・ネガティブとなっている事が懸念された。この問題は塩酸塩にして溶解度を改善してもAmes試験の結果に影響しなかった事で払拭された。一方で、S9細胞中での基質の消失速度の違いと、バイオアクティベーションの為に代謝酵素のCYPを失活させるTDIが原因として考えられた。精査した結果、化合物5がCYPの自殺基質となる可能性が極めて高い事が確認され、Ames試験の高濃度条件で化合物がCYPを失活させ、代謝が抑制されてAmes試験ネガティブと判定されたと推定された。仮にそうであるとすると、化合物5のAmes試験はネガティブでも癌原生リスクがないとは判断できない。
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