スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ドライパウダー吸引剤:p38阻害薬

Millan DS, Bunnage ME, Burrows JL, et al. Design and Synthesis of Inhaled p38 Inhibitors for the Treatment of Chronic Obstructive Pulmonary Disease. Journal of medicinal chemistry. 2011.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21888439

p38阻害薬はVX-745, BIRB-796がリュウマチ治療薬としてそれぞれフェーズ3,フェーズ2開発に進んだが、皮膚障害や感染症、薬効不足、また中枢性副作用が報告されている。その後、p38阻害薬はCOPD治療薬として見直され、PH-797804などが臨床で好成績を上げているが、RAで見られたp38由来の副作用はあまり報告されていないだけで懸念は残る。ここではCOPD治療薬である事に着眼し、ドライパウダーによる吸引剤とする事で、肺の炎症細胞に治療標的を絞り、全身作用を最低限に抑えながら治療係数の向上を図る戦略をとった。
吸引剤を目指す性質には、

(1)強力な活性と1mg 以下の低容量
(2)治療に必要な持続時間の確保
(3)速やかな代謝と低い経口吸収性を実現する事によって全身曝露を最低限に抑え、副作用を最小化する
(4)薬物間相互作用を最小化する為に複数の代謝経路を用意
(5)ドライパウダーに適切な高結晶性と賦形剤に利用されるラクトースとの親和性

が求められ、通常の経口薬のルール・オブ・ファイブと全くパラダイムは異なり、むしろ、ルール・オブ・ファイブの外側のプロファイルが求められる。また、必要な持続性の確保の為にスローオフセットの擬非可逆的阻害様式が求められる。これについては、X線から合理的にドラッグデザインする事が可能でBIRD-796の情報からDFG-アウトとなるようにAsp168-Gly170の活性ループ4残基を10Å動かして出来る脂溶性ポケットに置換基を埋めれば良い。リード化合物1aはtBu基やイソプロピル基が代謝的ソフトスポットになりうる。代謝物はp38活性が減弱する事が求められる。また、肝臓での酸化的代謝のみにあらず、第2相代謝としてグルクロン酸包合によって複数の代謝経路を用意する事で薬物間相互作用のリスクを低減できる。ここでは積極的にフェノール基の導入を指向する(Table 2)。次にR1-R3のコンビネーションで変換し、活性と脂溶性、代謝安定性と包合を検証(Table 4, 5)、キナーゼ選択性を検証し、ベストプロファイルの1abを見出した。
スポンサーサイト

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

Secret

プロフィール

Janus

Author:Janus
趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。