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ドライパウダー吸引剤:M3拮抗薬

Mete A, Bowers K, Chevalier E, et al. The discovery of AZD9164, a novel muscarinic M3 antagonist. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2011. Available at: http://dx.doi.org/10.1016/j.bmcl.2011.10.002

 COPD治療薬を指向したM3拮抗薬(Table 1)は、いづれも吸引剤として直接治療標的の肺に暴露させる製剤手法をとる。その構造は4級アンモニウム塩であり、4級アンモニウム塩でカチオンチャージが膜透過性を低下させ、吸収性を落とす効果があり、血中暴露を抑制できる。さらにエステル体とする事で血中では速やかに加水分解させ、血中での副作用を回避している。ドライマウスのような副作用を低減したものとして、チオトロピウムが利用されている。ここでの目標は、M2に対する高い選択性と低い代謝安定性、高い蛋白結合率を有するM3拮抗薬を見出す事で、より血中暴露量を低下させ、安全性を高める事に設定した。Table 1に示すM3拮抗薬の特徴は3級アルコールを有しており、この極性基が蛋白結合率の低下に寄与している事は間違いない。最初のドラッグデザインはこの代替基の探索である(Table 2)。化合物1.1, 1.2共にグリコピロケートやチオトロピウムと同等のM3活性、さらに代謝不安定性と蛋白結合率の向上に成功した。次にシクロペンチルを飽和アミン置換基を探索的変換(Table 3)。最後に4級アミンの最適化を検討するが、ここでTPP(ターゲット・プロダクト・プロファイル)を満たす事を目指す。
TPPのクライテリアは、
・強力なインビトロ、インビボ活性:結合・ファンクション活性共に10乗オーダー、ED80は3μg/ kg。
・高いヒト血清蛋白結合率(hPPB>98%)。十分な代謝不安定性(HLM > 50μl / min/ mg)。血中暴露量と副作用の最小化によるチオトロピウムとの差別化。
・持続的血中半減期。モルモット気管内投与ITPK T1/2 > 10 hによってヒトでのUID, BIDを目指す。

総花的置換基探索の結果から(Table 4)、代表化合物を選出し、PK、安全性をチェック、ベンチマークのチオトロピウムが安全域3倍以下であるのに対して、5.14は100倍以上、流涎はチオトロピウムが<0.3であるのに対して10倍以上各区ホされ、血中持続性ITPKは10.5時間であり、開発化合物AZD9164に選出した。
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