スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ドライパウダー吸引剤:M3拮抗薬2

Glossop P a, Watson C a L, Price D a, et al. Inhalation by Design: Novel Tertiary Amine Muscarinic M(3) Receptor Antagonists with Slow Off-Rate Binding Kinetics for Inhaled Once-Daily Treatment of Chronic Obstructive Pulmonary Disease. Journal of medicinal chemistry. 2011;
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21870878

 COPD治療薬を目指す一つのアプローチは、ソフト・ドラッグ・ストラテジーの一つドライパウダー吸入剤があり、肺の炎症細胞に治療標的を絞り、全身作用を最低限に抑えながら治療係数の向上を図ることができるという方法論である。たとえば、PDE4阻害薬では、クラスエフェクトの嘔吐を回避する為に、GSK社はGSK256066をドライパウダー吸入剤として使って臨床開発を行なっている。他にもデロトロピウム・ブロミドやアクリジニウム・ブロミドのような3級アンモニウム塩、経口薬を吸引剤にしたトロスピウムクロリド、グリコピロニウムブロミドはCOPDを適応疾患にフェーズ2,3開発中である。 ファイザーはM3拮抗薬でこのアプローチを採用する。吸引剤で1日1回の長時間作用型を実現し、かつ全身での曝露を最小限に抑える為、受容体からの乖離が遅く、一方で代謝は受けやすいプロファイルを指向し、過去のムスカリン受容体リガンドを再探索した。見出された化合物4のR1,R2にメチル基を導入した(R)-9は結合乖離速度が一挙に向上する(Table 1)。代謝を受けやすくする為に、グルクロン酸抱合のスイートスポットとしてフェノール性水酸基を積極的に導入し、開発化合物47(PF-3635659)を見出した。

 製剤・DDSの技術はドラッグデザインのパラダイムを全く変えてしまう。通常の経口薬であればインサーマンタルな結合乖離様式、代謝安定性の低さは、包合はいづれも動態に悪影響を及ぼすファクターである。しかし、吸引剤ではこれらのデメリットは全てメリットになって変貌してしまう。製剤技術の進展、応用の可能性には注目しておく必要がある。
スポンサーサイト

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

Secret

プロフィール

Janus

Author:Janus
趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。