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他社の開発化合物から出発:環状エーテル構造代謝相関研究

Stepan AF, Karki K, McDonald WS, et al. Metabolism-Directed Design of Oxetane-Containing Arylsulfonamide Derivatives as γ-Secretase Inhibitors. Journal of medicinal chemistry. 2011.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21995460


ノッチ切断に対して選択性のあるBMS-708,163からのファイザーのドラッグデザインは、芳香環ビアリール構造を飽和環シクロヘキサン6への変換からスタートする。化合物6は代謝安定性が低い。低分子化したシクロペンチル7、シクロブチル8で活性は保持するが、代謝安定性は増悪する。これらの主代謝部位検索から、シクロアルカン部位が代謝されている。酸素原子導入による脂溶性の低下による解決を指向。シクロヘキサンに酸素原子を入れた9-10では代謝は増悪するが、11-14で改善している。これら環状エーテルは、酸素原子の隣接炭素が主代謝部位となっており、ヘミケタールを経由してアルデヒドへと変換されている事が推定される。CYP酵素へのアクセスを防ぎ、さらなる脂溶性を低下させる為に、6員環から5員環、4員環へと低分子化(16-21,1)、一部のテトラヒドロフラン16,17、及びオキセタン20-21,1で代謝安定性は改善した。テトラヒドロフラン、オキセタンに共通して言える事は、酸素原子が分子の外にむいた17や1では、エーテルのα位は代謝を受けにくくなる。最も代謝安定性に優れた1では、主代謝物はもはやオキセタン部分ではなく、脱アルキル化体である(Fig. 4)。一方で異性体のオキセタン20の代謝部位を抑えようとメチル化を検討した結果(2ー5,22-23)、ジメチル化した2で代謝安定性は大幅に改善した。シクロヘキサン部分の変換はγセクレターゼ活性に悪影響を与える事はなく、ノッチ選択性は500倍以上のものも存在する。ただし、この代謝安定性の種差は大きく、げっ歯類では代謝安定性は総じて悪い。よって、ビボは皮下投与で検証している。
シクロヘキサンが代謝のソフトスポットになる事は一般に知られている。単に脂溶性を低下させる為に、エーテルを組み込んだだけでは、その効果は意外に小さい。エーテルのα位が代謝部位になる為である。ここで示されている課題解決のポイントは、低分子化と酸素原子の配置である。テトラヒドロピランに比べてテトラヒドロフランで改善し、オキセタンがさらに改善する。また、いづれも3位タイプで代謝安定性が優れている。また、オキセタンは2位のタイプでも3位をジメチル化すれば代謝安定性は大幅に改善する。単なるメチル化では効果が小さく、4位のジメチル化はむしろ増悪する。環状エーテルの代謝安定性に対して系統的にSARを検証した例として注目できる報告内容である。
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