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CHK1阻害薬:公知化合物、HTS、そしてFBDDからの展開

Zhao L, Zhang Y, Dai C, et al. Design, synthesis and SAR of thienopyridines as potent CHK1 inhibitors. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2010;20(24):7216-21. Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X10015660

Labroli M, Paruch K, Dwyer MP, et al. Discovery of pyrazolo[1,5-a]pyrimidine-based CHK1 inhibitors: a template-based approach--part 2. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2011;21(1):471-4.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X10015751

Reader JC, Matthews TP, Klair S, et al. Structure-Guided Evolution of Potent and Selective CHK1 Inhibitors through Scaffold Morphing. Journal of medicinal chemistry. 2011.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22111927


抗癌薬として期待されるCHK1阻害薬、第1報はMerckからの公知化合物からのデザインの事例である。CHK1阻害薬はインドールPF-00477736やチオフェンAZD-7762が既に臨床入りしている。アストラゼネカのチオフェン1の側鎖アミンとカルボキサミドの分子内裾結合を推定して閉環したチエノピリジン2aに変換した。タンパクとの複合結晶解析からもアミドの水素結合をピリジンのNが補っている事が理解できる。さらにピリダジン70にして活性は向上、ピリダジンの二つのNが水分子を介した水素結合に預かり、多点水素結合でCHK酵素にがっちり相互作用している事を確認した。

第2報では、HTSから見いだしたCDK2阻害薬ピラゾロピリミジン3にCHK1の弱い作用がある事をきっかけに、3位にピラゾールを導入、7位にイソチアゾールを導入した5でCHK1の活性を9 nMに向上させ、CDK2の活性を40μMまで低下させる事に成功した。ここでは、7位にアミノ基にした4から、6位の変換(Table 1)、3位の変換(Table 2)、5位の変換(Table 3)でSARを取得した。キナーゼはATP結合サイト、ヒンジバインダーのモチーフが決まっている為に、ターゲット横断的に活性を変換できる。

第3報では、フラグメントからの最適化、すなわちFBDDを利用して最適化する。ここではCHK2に対して選択性あり、込み入ったキナーゼケミカルスペースの中で新規性を獲得したCHK1阻害薬の探索を指向する。42μMの非常に弱い活性のプリンタイプ1のフラグメントは、エステルとメチルアミンの導入した2で1.2μMまで活性が高められた。CHK2に対する活性は74μM。結晶情報からピラゾロピリジンの3位方向へのペンダントフェニル伸長が内部のポケットにアクセスするのに向いている。母核は3環性にする事でタンパク結合水への相互作用に向いたプラットフォームになりうる。また、ATP結合サイトの相互作用に適するようにピリジルエステル部分をピリミジンにした。前者のデザインによる4や5は活性が減弱するが、フェニルペンダント上のシアノ基をメチルアルコールにすると活性は430 nMに向上。シアノ基ではGlu55と相互作用するが、メチルアルコールではフリップしてAsn135と相互作用しており、結合モードの変化による活性の違いと推察されるが、いづれもLEでは効率は落ちる。一方で3環性の7ではLEは保持するので、モルホリン置換基を変換し、活性、LEとも向上を果たした。さらなる最適化には3環性構造は合成上困難なので、母核の変換として中央環を切断、フィージビリティのあるアリールアミン14-23へと展開し、側鎖の組換によって13 nMの活性とCHK2活性は100μM以下、LEともは0.41で経口吸収性、ビボでの作用、新規性ある (R)-3 (SAR-020106)を見出した。キナーゼをターゲットにする場合、その多くはタンパクとの複合結晶が得られるので、ここで示されるようなSBDDの利用によりドラスティックな母核の変換が可能となる。
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