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H3拮抗薬:バックファイルから別プロファイルを選出、マルチ・クライテリア・フィルター法

Lunn G, Mowbray CE, Liu WLS, et al. The discovery and profile of PF-0868087, a CNS-sparing histamine H3 receptor antagonist for the treatment of allergic rhinitis. MedChemComm. 2012;(207890).
Available at: http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2011/MD/c2md00276k

脳内移行性を有するPF-3654746は、アレルギー性鼻炎の治療薬として利用するには不眠症になるという副作用を有していた。この解決の為には、脳内移行性を下げたH3拮抗薬が求められる。抹消選択性を出す為には、膜透過性を低下させ、MDRやBCRPといったアクティブ・トランスポーターの基質にする方法が想定される。一方で線形性を担保する為に、腸管内で化合物が飽和しているだけの十分な溶解度が求められる。ここで設定したクライテリアは以下の通り。

・Ki<10 nM(結合・ファンクションの両方)
・hERG選択性3000倍以上
・ヒト代謝安定性<25ul/min/mg
・ヒト肝代謝<10 ul/min.million cells
・中程度から低い膜透過性<12 x 10-6 cm/sec
・MDR-1, BCRP基質性、排出比>2.5

ファイザーの4万5千化合物をプロファイリングしてみると、分子量が大きく極性表面積が高いほどトランスポーターの基質になりやすい事が判明。さらに、ビボ試験候補化合物のクライテリアとして、

・フォスフォリピドーシスのリスクとしてTHLEで30μM以下
・Ames陰性
・バイオアクティベーション試験で陰性
・イオンチャンネル選択性100倍以上
・溶解度100 ug / mL以上

これをクリアした化合物をさらに、

・ラット、イヌでのOK検証
・CSF濃度<0.1
・エクスビボ受容体占有率<0.1
・PKPDで脳波への影響の出る容量の10倍以上のマージン
・8日間の毒性試験

これらのクライテリアをフィルターに、化合物2すなわちPF-0868087を見出した。膨大なバックファイル化合物のデータセットからプロファイルの異なる化合物を選別する場合(この場合、中枢移行性を狙うH3拮抗薬から抹消選択的H3拮抗薬)、データマイニングしてマルチ・クライテリアのフィルターで選別する事が効率的である事を実証した。
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テーマ : 科学・医療・心理
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