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医薬品開発過去10年の変遷

Arrowsmith J. A decade of change. Nature Reviews Drug Discovery. 2012;11(1):17-18.
Available at: http://www.nature.com/doifinder/10.1038/nrd363

 <吸収合併の10年、時価総額は減少>
 過去10年間は製薬業界にとって激動と変化の時代となった。研究開発ラインナップの不採算性にも関わらず収益を維持する為に、吸収合併を繰り返し、1988年に42社あった製薬企業は11社にまで減少した。この結果、時価総額ランキングは2001年のトップ10企業のうち8社が2011年のトップ10に残るものの、その順位は再編された(Table 1)。この10年でインフレ率は25%以上であるにも関わらず、2001年から2011年の間にトップ10企業全体の時価総額は減少している。一般的に合併が価値を創造するわけではないが、特許満了のリスクを軽減し、脆弱なパイプラインを強化し、戦略的に資金を保持する為に、合併は行われてきた。

<ブロックバスターが支えた10年、生物製剤の台頭>
 全体の時価総額が低下する一方で、トップ10医薬品の年間売上高は、この10年で倍増している(Table 2)。トップ10医薬品に含まれる生物製剤の数は増加しており、今後もこの傾向は続き、生物製剤が主流になると予測されている。毎年発売されるブロックバスター数は年間6.5個のペースを維持しているが、その価値は損なわれつつある。

<選択と集中へ>
 Fig. 1-4に大企業6社と中堅その他8社を含めた14企業から作成したデータが示されている。2001年、業界の研究開発は、医薬品候補を開発段階に入れ、さらにステージを進めていく事によって報いてきた。その結果過去10年の前半でパイプライン数は増加してきた(Fig. 1)。しかしそれが逆に企業の摩耗率を高め、その後の数年は減少している。2002年にはフェーズ1に入った開発化合物のうち10%が上市しているが、最近では5%まで上市率は落ちている(Fig. 2)。この脆弱性の要因は依然としてフェーズ2段階にあり、フェーズ2中止の50%は薬効が要因であり、30%は戦略上の要因、残りの20%が安全性である。成功確率の低さから、製薬企業は最も科学的根拠が明確なテーマに絞らざるを得ず、複数のバックアップ戦略を断念し、疾患領域を絞り、ファースト・イン・クラス、ベスト・イン・クラスに集中した。

<リスク共有の共同研究>
 この10年、リスクを軽減し、コストをマネージする為に、外部のアウトソーシングを有効活用し、共同研究によってリスクを共有してきたが(Fig. 3)、それでも研究開発費は増加傾向にある(Fig. 4)。

<疾患領域の変遷>
 この10年で疾患領域はシフトしてきている(Fig. 5)。癌が最も研究が盛んな領域となっており、高血圧症からは安価なジェネリックの出現の為もあって撤退、糖尿病、痛み、アルツハイマー、欝は増加傾向にある。また、製薬企業は希少疾患へとシフトしている。
 
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