スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

B-Raf阻害薬:フッ素導入、効果絶大

Stellwagen JC, Adjabeng GM, Arnone MR, et al. Development of potent B-RafV600E inhibitors containing an arylsulfonamide headgroup. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2011;21(15):4436-40.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X11008043


GSK社のB-raf阻害薬1は9 nMの強力な結合阻害活性を持つ一方で細胞系活性がないので、この解決を目指して最適化する。ヘッドグループのアミドをウレア、リバースアミド、スルホンアミドと変換し、スルホンアミド11で結合活性こそ132 nMであるが細胞系活性は99 nMと乖離を減少できた(Table 1a)。さらに母核のイミダゾピリジンを単環のチアゾールにした12でサブマイクロの細胞系活性を確認、スルホンアミドと組み合わせた13では、細胞系で52 nMと大幅な活性向上、抗増殖活性も287 nMと強力であった。テイル部分のテトラヒドロピリジンをピリジルアセチルピペラジンにした14で細胞系で7 nM、抗増殖活性も24 nMとさらに活性向上(Table 2)。スルホンアミドをメチル化した15やスルホンアミドのNHをメチレンにした16では活性は大幅減弱。酵素とのドッキングからスルホンアミドが2点で水素結合して活性発現の鍵になっていると推定(Fig. 2)。ヘッドグループのさらなる最適化としてフッ素スキャンでオルト位をジフルオロ化した22で抗増殖阻害活性を倍増、ラット代謝安定性も改善した。さらにアセチルピペラジンをモルホリンに変換した23で抗増殖阻害活性は9乗オーダーの6 nMと2倍向上した。しかし、代謝安定性は不十分で経口吸収性が低い。最後に、リンカーフェニルをフッ素スキャンし、スルホンアミドNHのオルト位に相当する6位にフッ素をいれた26で代謝安定性が4倍改善、それ以上に経口吸収性は70倍もの飛躍的な向上を果たした。ビトロの代謝安定性から想定されるより劇的な経口吸収性改善の理由は、フッ素がスルホンアミドNHと水素結合して膜透過性の改善にも寄与した為と推定される。この分子内水素結合が活性の減弱にも影響していると想定されるが、経口吸収性のドラスティックな改善は、それを上回る効果といえる。
 細胞系活性がほとんど認められない化合物から、アミド→スルホンアミド、縮環→単環が劇的な活性向上は、脂溶性低下の効果が大きいと推定される。フッ素が代謝安定性の改善と分子内水素結合の二つの効果を発揮しているが、フッ素の弱い分子内水素結合によるNHのマスキングは、下記の第一三共のIKKβ阻害薬の事例でも利用されている。


http://medicinalchemistry.blog120.fc2.com/blog-entry-538.html
スポンサーサイト

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

Secret

プロフィール

Janus

Author:Janus
趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。