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ケト・エノール異性化が窒素性質をリモート操作。オフターゲットは化合物ベース類似度検索でフィッシング

Bauer U, Giordanetto F, Bauer M, et al. Discovery of 4-hydroxy-1,6-naphthyridine-3-carbonitrile derivatives as novel PDE10A inhibitors. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2012.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X12000790

 PDE10A阻害薬は統合失調症治療薬、肥満、糖尿病治療薬として期待されている。PDE10A阻害薬は、天然物、HTSからのリード探索、FBDDによるリガンド探索が行われているが、アストラゼネカでは公知化合物2からのホッピングによる新規ケモタイプの創出を指向する。脂溶性の低下を目的にフルオロキノリンのCF結合を窒素で置き換え、毒性要因となるアシルグルクロニド形成の原因であるD-アラニン部分を変換した化合物をデザインした(Table 1)。 Dアラニン部分は水酸基で置き換える事が出来(5)、水酸基をメチル化すると活性は減弱(6)、Xのニトリルを除去したり(4)、Nで置き換えると(3)、活性は減弱する。よって、水酸基とニトリルは活性に重要である。化合物5ではLE, LLE共に元の2を大きく上回った。ビフェニル末端のエトキシ基の変換(Table 2)では、たとえば化合物9では活性は1 nMに達し、LE, LLE共に激的に向上した。
 化合物5のX線の考察から、ナフチリジン1位窒素がアクセプターとして機能してTyr693と水素結合している(Fig. 2)。R2に強力な電子吸引基であるニトリルを入れると、エノール構造をとる事ができ、1位窒素が水素結合アクセプターになりうる。ところが、Table 2のR2に電子吸引基がないとケト構造をとり、1位窒素は水素結合ドナーになってしまって相互作用できない。このR2置換基によって変化するケト・エノールの構造の違いがSARに反映していると推定された。エノールの水酸基自体はタンパクと水素結合しているわけではなく、溶媒方向に出ているだけなので、PKと物性の調節薬として機能している。ビフェニル末端の置換基Table 2のR1は、ビフェニルの回転を規定しており、活性コンフォマーをとるのに寄与している。
 ここまででベスト化合物9のPDE選択性をプロファイリングした所、2100倍ー25000倍以上の優れた選択性を示した。一般的なオフターゲット選択性に関しては、リガンド・ベース・類似度法による計算での予測を利用した。その結果、化合物1とDHODH阻害薬のブレキナルに構造類似性が認められた。プレキナルは臨床で毒性が確認されており、DHODHとの選択性が必要になる。化合物9のDHODH活性を評価したところ、200nMと200倍の選択性である事が確認された。DHODHの結晶情報から、ビフェニル末端に極性基を入れればLys67の主鎖のカルボニルと静電的反発を起こしてDHODH活性を減弱しうる。この仮説の元に、ビフェニル末端をヘテロ環に変換し、ピリジン系化合物24で1 nMの活性、DHODHに対して1300倍の選択性、PDEに対しても2000倍以上の選択性を確保する事に成功した。 
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