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PDE4阻害薬:独自の骨格で活性引き出す

Ochiai K, Ando N, Iwase K, et al. Phosphodiesterase inhibitors. Part 2: Design, synthesis and structure-activity relationships of dual PDE3/4-inhibitory pyrazolo[1,5-a]pyridines with anti-inflammatory and bronchodilatory activity. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2011.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X11009097

杏林はLTD4拮抗作用と非選択的PDE阻害作用を合わせ持つイブジラストを有している。一方でPDE3阻害薬としてはイマゾダン、CI-930が、PDE3/4デュアル阻害薬としてはザルダベリンが知られており、いづれもピリダジノンを共通の骨格にしている。杏林の研究者は、イブジラストのイミダゾピリジン骨格にこのピリダジノン骨格を導入し、化合物1でPDE3/4デュアル阻害作用を引き出す事に成功した。特にメトキシ基によって強力なPDE4阻害作用を示す。ピリダジノンは芳香化した1'aやじメチル化した1'bで活性は消失するが、メチル化した2aではマイクロオーダーの活性を示したので、このタイプに絞って続く最適化を検討した。やはりピリダジノン7位へのメトキシ基導入がPDE4活性に寄与する事が判明(2b)、PDEの活性中心の相互作用に関与するプリン・スキャニング・グルタミン部位に隣接するQ1サブポケットへフィットしていると推定される(Table 1)。このQ1ポケットへは水素結合アクセプターのない単純なメチル基(2m)も許容され、驚くべきことに種々の変換で活性向上が認められた。この結果は、Q2サブサイトへ置換基が伸びていると推定される。抗気管支収縮作用、抗炎症のインビボで最も強力な活性を示すのは7位メトキシ2bであり、メトキシ基に絞って最後に2位を変換、トリフルオロメチル基2acで最も強力な作用を示した。この光学分割体KCA-1490はデュアル作用を示し、インビボでロフルミラストに比べて強力な活性を示す一方で、嘔吐の容量はロフルミラストと同等であり、安全性域は優れている。
独自の得意とする骨格は、合成法も長所も短所も理解しているので、そこに活性を引き込めば、自らの土俵で戦う事での強みを発揮できる。この場合、杏林の持つイブジラストに、他社の部分構造を取り込んでPDE3/4の活性を引き出した。自社で知り抜いた母核は、強力な武器になる。
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