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合理的デュアル作用薬ドラッグデザイン:DPP4+MCH1

Gattrell WT, Sambrook Smith CP, Smith AJ. An example of Designed Multiple Ligands spanning protein classes: dual MCH-1R antagonists/ DPPIV inhibitors. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2012.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X1200193X

DPP4阻害薬は発売後5年経過している糖尿病治療薬であり、MCH1拮抗薬は抗肥満作用が検証済みである。これらの併用では2つの化合物の物理的性質の違い、PKの違いが問題となる。単剤で両方の作用を持つデュアル作用薬はこの課題を解決しうる糖尿病・肥満治療薬になりうる。モルフィらは、マルチターゲットの化合物デザインを提案しているが、異なるターゲットクラスのタンパクを狙うデザインはほとんど事例がない。2つのターゲットのそれぞれのリガンドをつなぎあわせたのでは、分子量が大きくドラッグライクネスを逸脱する。ターゲットベースで全く相関のないタンパクの結合サイトを考察してもデザインは機能しえない。ここでは、リガンド・ベースで構造の相同性をデザインのきっかけとする事にした。明確な構造類似性はないが、下記の理由から2つのデュアル作用薬にはドラッグライクな性質を引き出せると考えた。

・両ターゲット共に化合物の構造多様性があり、構造活性相関を文献から抜き出す事が可能
・DPP4阻害薬は低分子でリガンド効率が高い
・DPP4阻害薬のデザインではX線結晶構造情報が利用可能
・DPP4はアクティブ・サイトから溶媒方向が近いので、MCHのファーマコフォアを組み込む事が可能

活性情報は2つのソースから抽出した。一つはインハウスで創薬化学の論文からデータを抽出したネクサスというデータベースである。もう一つは、独自の技術で特許からビトロのデータを抽出したデータベースである。MCHでは1500化合物、DPP4では2500化合物のデータを取得。これらを解析した結果、化合物1と2、2と3に共通構造を確認した(Fig. 2)。化合物1はMCH1に対して6 nM、化合物2はDPP4に対して20 nMでいづれもアゾールアミノピロリジンを共通構造に持つ。一方でDPP4阻害薬2のトリフルオロフェニルはS1ポケットを占有するので、活性には必須である。このS1に相当する位置にMCH拮抗薬はフェニル基が許容される事を化合物3で確認している(25 nM)。よってこれらをハイブリッドした4をデザインした。この化合物はDPP4結晶構造にフィットする。
 中枢移行性を担保する為に、分子量<500、LogD <3.5、PSA<80Å2のドラッグスペースを利用して26化合物をデザイン、そのうち6化合物が合成面でのクライテリアを満たした。化合物10でMCHに対して11 nM、DPP4に対して1100 nMの活性を有していた。ピロリジンの環を拡大した11ではMCHに対して440 nM、DPP4に対して350 nMの活性を示し、DPP8, 9に対して高選択的であった。
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