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見出した”ドグマ”に囚われず新たな展開へ踏み出す

Wood MR, Schirripa KM, Kim JJ, et al. Alpha-hydroxy amides as a novel class of bradykinin B1 selective antagonists. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2008;18(2):716-20.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18061443

Bodmer-Narkevitch V, Anthony NJ, Cofre V, et al. Indazole derivatives as novel Bradykinin B1 receptor antagonists. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2010.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X10014307



メルクで初期に見いだしたブラジキニン拮抗薬ジアミノピリジン骨格は、バイオアクティベーションの毒性リスクが懸念された。このトキシコフォアは、シクロプロピルアミド1に変換して解決された。

http://medicinalchemistry.blog120.fc2.com/blog-entry-9.html


しかし、このケモタイプでは、Pgpの汲み出しがかかる為、動態面、中枢移行性の問題が残されていた。本報では、動態面解決の為に、母核のさらなる変換を検証している。ジアミノピリジン、シクロプロピルアミドのSARから水素結合ドナーが必須と考えて、まず、シクロプロピルアルコール2をデザインして合成した。活性は40倍減弱して保持された。低分子化されたドラッガブルなこの化合物2を新規ケモタイプと位置づけてさらに最適化を行っている。

歪んだシクロプロピルアルコールは酸化的代謝を受けラジカルが発生しやすく、これが起点となってα、β不飽和アルデヒドが生成してバイオアクティベーションの毒性リスクが懸念される。よって、まず、シクロプロピルを開環し、ジメチルにした4で活性は2倍減弱して保持した。このケモタイプでは、カルボニルーシクロプロパンのπーπ超共役的相互作用はそれほど重要でない。さらにトリフルオロメチル基の導入で活性が向上した。電子吸引基である為にアルコールの水素結合ドナー性が上がって活性向上に寄与したと推定している。このケモタイプの多くは、当初問題となっていたPgpの汲み出しを解決している。最後にビフェニル部分を最適化し、サブナノオーダーの活性を示す化合物を複数見いだしている。候補化合物21は、0.66 nMの強力な拮抗活性を示し、BAはラット34%、イヌ84%、サル52%で、中枢移行性も高く、良好な動態面を示している。一連のブラジキニン拮抗薬研究から、メルクが高い安全性を獲得する為なら活性を4桁以上減弱させて検討し直し、次いで動態、最後に活性の順に優先順位付けして展開している事が見てとれる。また、先に見出した超共役的相互作用のドグマに固執せず、新たな展開へと舵を切れる柔軟さも目を見張る。この系統の化合物は、さらに続報で練り上げられる。また、初期のケモタイプでも、Pgp基質は側鎖の変換で解決している(第2報目)。


http://medicinalchemistry.blog120.fc2.com/blog-entry-72.html
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