スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

hERG阻害回避、伝家の宝刀カルボン酸を中枢薬で利用

Mihalic JT, Fan P, Chen X, et al. Discovery of a novel melanin-concentrating hormone receptor 1 (MCHR1) antagonist with reduced hERG inhibition. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2012;1.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X12004453


リード化合物1から最適化した2は0.3 nMの結合活性と1 nMの拮抗活性を有しており、良好な中枢移行性を有する薬物動態を示したが、hERG阻害活性が30 nMと極めて強かった。文献情報をみても、MCH拮抗薬はhERG阻害作用で苦戦を強いられており、hERGの回避がこのテーマの重要なマイルストーンとなっている。hERG回避には脂溶性ポケットにハマる置換基に極性基を導入する事が一般に受け入れられた手法である。その中でもカルボン酸の導入が奏功する事が知られている(Fig. 2)。このリード化合物はインドールの置換基には変換の余地がなく、テトラヒドロピラン側は、置換基変換の許容性が高いので、ここへのカルボン酸導入の戦略をとった(Table 1)。合成した3化合物7,10,11のうち、化合物11が0.6 nMの結合活性を示し、hERG阻害は5μM以下と一挙に選択性を1万倍近くまで向上させた。オフターゲットとしてパンラボ64種類とインハウスアッセイを検証し、摂食やエネルギー代謝に関連するターゲットをTable 2に示したように、いづれのターゲットも1μM以下で、選択性が十分確保されている。活性の種差もなく、MCH2は10μM以下でサブタイプ選択性にも優れている。マウス、ラット、イヌ、サルで29-79%の経口吸収性でクリアランスは低い。カルボン酸を有する事から脳内移行性の低さが懸念されたが、ラットでプラズマに対して脳内濃度は0.40、CSF中も0.21と血液脳関門を超えている事が確認できた。ビボでもQT延長のリスクがない事を確認した。ビボでの薬効はMICEに137日間投薬し、シブトラミン10mpkと比較して3mpkから優れた体重低下作用を確認した(Fig. 3)。また、MCHノックアウトでは体重低下作用がないので、見出した化合物11がMCH拮抗活性によって薬理作用を示している事が確認された(Fig. 4)。このようにして、カルボン酸によってhERG活性を回避するという手法によって、開発化合物AMG076を選定した。
スポンサーサイト

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

Secret

プロフィール

Janus

Author:Janus
趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。