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FDA、大手製薬企業の希少疾患参入に期待感

Pariser AR, Slack DJ, Bauer LJ, Warner C a, Tracy L a. Characteristics of rare disease marketing applications associated with FDA product approvals 2006-2010. Drug discovery today. 2012;00(00).
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22564486

希少疾患とは米国で20万人以下の患者数で未だ治療薬の存在しないアンメット・メディカル・ニーズを指す。希少疾患はおよそ7000種類存在すると推定され、そのほとんどは厳しい症状にあるにも関わらず治療薬が承認されていない。Orphan Drug Act(ODA)が設立された1983年以来、FDAによって承認された新薬は約390種類程度である。FDAは現在、Center for Drug Evaluation and Research (CDER)で90%のオーファンドラッグを承認しており、残りの10%はCenter for Biologics Evaluation and Research (CBER)によって承認されいている。ここでは、2006-2010年の間にCDERが承認したオーファン・ドラッグを話題にとりあげる。以下に示すように、希少疾患は通常疾患に比べて成功確率が高い。特に患者数が少ない程、承認される確度は高い。しかし、希少疾患に参入している製薬会社は小規模会社が多い。しかし小会社の承認確率は低い。希少疾患でも臨床試験の経験のある大手企業に部がある。しかも、希少疾患の審査経験がなくても成功確率は変わらない。すなわち、大手製薬企業は何も臆することなく希少疾患に算入すべきなのである。

なお、オーファンドラッグに関しては、下記内容も関連記事。

http://medicinalchemistry.blog120.fc2.com/blog-entry-740.html

http://medicinalchemistry.blog120.fc2.com/blog-entry-123.html


この報告で評価した変数の注釈は下記の通り。
・企業規模:小企業(従業員:250人以下)、中堅企業(従業員:250人-14999人)、大企業(従業員:1万5千人以上)。
・(米国での)希少疾患普及率:FDA, NIHから得られる情報を主たるソース。
・優先審査経験:少なくとも一つのFDAに新薬承認申請提出前に承認された開発化合物をポートフォリオに有している。
・疾患別審査経験:その疾患で少なくとも1つのFDA承認新薬を有している。
・規制当局との意見交換:FDAと開発側のend-of-Phase II (EOP2)会議。EOP2会議は一般にフェーズ3開発方法とプロトコールの計画を議論する為に実施される。ここではEOP2とfirst-review-cycleでの承認との相関も検証する。

まず希少疾患と通常疾患を合わせた全体像として解析した結果がTable 1。
・承認される確率は、希少疾患77%に対して通常疾患71%と大差はないものの希少疾患がやや高い。
・承認される確率は、生物製剤96%に対して低分子(NME)は68%と低い。
・承認される確率は、優先審査87%に対して標準審査は65%と低い。
・承認される確率は、小企業50%に対して、大企業79%、中堅企業81%と規模が大きい方が確率は高い。
・承認される確率は、優先審査経験のある77%の企業の承認確率は81%で、優先審査経験のない企業の承認確率46%に比べて優れている。
・承認される確率は、EOP2会議を行なっている83%は承認確率(95%)に良い影響を与えている。

詳細を企業のサイズで解析した結果がTable 2。
・優先規制当局審査経験は、小企業26%に対して中堅企業87%、大企業100%で、小企業は経験が圧倒的に少ない。
・希少疾患で申請経験のある企業は、小企業34%、中堅36%に対して大企業は18%と低い。希少疾患の中でも生物製剤は、小企業11%、大企業9%に対して、中堅企業は25%とその依存度が高い。

次に主題の希少疾患(47種類)に関して詳細に解析した結果がTable 3。
・希少疾患が承認される確率は、生物製剤100%に対して低分子(NME)は67%と低い。
・希少疾患が承認される確率は、優先審査88%に対して標準審査は53%と低い。
・希少疾患が承認される確率は、大企業及び中堅企業が88%に対して小企業は46%と低い。
・希少疾患が承認される確率は、優先審査経験のある企業が89%に対して、経験のない企業は36%と低い。
・希少疾患が承認される確率は、EOP2会議を実施した方が(有意差はつかないが)高い傾向がある(実施:83%、非実施:58%)。
・希少疾患が承認される確率は、希少疾患での審査出願経験とは無関係。

希少疾患の患者数と新薬承認数はFig. 1に表示。患者数が少ないほど承認確率は高い。

希少疾患、通常疾患について優先審査と標準審査、EOP2の実施と非実施の承認確率を解析した結果がTable 4。希少疾患と通常疾患で大きな違いはなく、優先審査とEOP2実施で承認確率は高い。

以上から見出された結論として、まず企業規模は患承認確率に大きく関係している。大企業、中堅企業は小企業に比べて承認確率は高く、とりわけ希少疾患で顕著である。この要因は、大企業ほどより多くの薬剤開発経験と審査経験があり、多くのリソースを有しているからと考えられる。また、93%の中堅・大企業は優先審査経験を有しており、小企業では僅か26%しか優先審査の経験を有していない。この事は、規模の大きい企業ほど審査当局の要望に合致した開発プログラムを理解しているからと推定される。また、小企業ほど「新規な」臨床開発をしようとしている点が興味深い。小企業は過去に承認薬を持っていない場合が多いせいかもしれない。また小企業ほど希少疾患に挑戦しており、審査中の全体の34%が小企業由来のもので、それにも関わらず小企業の経験の浅さから承認獲得に失敗しやすい、というのが現状である。一方で新規参入の疾患での審査経験は無くとも、承認確率が低いわけではないのは特筆すべき特徴である。ここでの解析結果から言える事は、第1点として希少疾患の承認確率は高く、特に患者数が少ないほどその確度は高くなる。第2点目として、疾患特異的な承認経験は承認確率に影響はないので、開発を手がける製薬企業には新規な疾患領域への参入をエンカレッジできる。第3点目として、EOP2会議を実施していると承認確率は高い事から、審査当局との意見交換は重要であり、特に審査経験のない小企業にとっては重要な役割を果たしうる。

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テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

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