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セリンプロテアーゼ阻害薬の遷移状態アナログを脱却し中枢移行性獲得

Wu Z, Yang C, Graham TH, et al. Discovery of Aminoheterocycles as Potent and Brain Penetrant Prolylcarboxypeptidase Inhibitors. BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY LETTERS. 2011;(2012).
Available at: http://dx.doi.org/10.1016/j.bmcl.2011.12.098



これまでに報告してきたPrCP阻害薬1もしくは2は抹消選択性が高く、化合物1の作用はオンターゲット由来だが弱く、化合物2の作用はオフターゲットによる作用とノックアウト動物の実験から結論づけられた。強力な薬効を求めて、中枢での作用を発揮させる為に、脳内移行性に優れた化合物の探索を進める事となった。脳内移行の妨げになっているのは多くの場合Pgp基質になっている為であり、その要因はアミド置換基である事が往々にしてある。ここでは等価体のヘテロ環に変換、Pgp基質の脱却を図っている。化合物1のアミドをピリジンにした3では5μMで46%阻害を確認。しかし、ピリジン周囲の置換基変換では活性向上の兆しが見えず(4-6)、化合物1をヒントにS3サイト方向へと伸ばしたイソブチルアミン7,8では活性は向上しなかった。一方で、化合物2の系統のアミドをピリミジンに変換した10では7乗オーダーの活性を示した。勇気づけられる事に、Pgp基質の懸念がなかった(Pgp排出比0.3)。S3方向に相互作用を求めてアミンを入れた9で活性は減弱する。しかし、このピリミジン系のポテンシャルの高さから、さらなる最適化を継続。ピリミジン側鎖のアミン部分を変換し、活性は8乗まで到達(Table 1)。しかし、細胞系活性は20μM以下と乖離があった。セラムシフトが高い為と考え、極性置換基を積極的に導入(Table 2)。8乗の化合物を複数見出し、その多くがPgp基質にならなかったが、細胞系活性には反映してこない。次にピリミジンの右側のピロリジン・ベンズイミダゾールを変換(Table 3)、低分子化されたベンジルメチルアミン系統に活性を確認し、化合物32のジアステレオマーの一つ32aでヒトで43 nM、マウスで176 nMの活性、細胞系でも350 nMの活性を示した。最後に、再度左側の良い置換基と組合せ(Table 4)、脳内移行性に優れた32aを代表化合物とした。最適化の結果、Pgp基質を回避する為のアミド構造の脱却、極性基の導入を経て分子量は375まで低下、強力な活性と脳内移行性を実現した。もはやセリン・プロテアーゼ阻害薬の典型的な遷移状態アナログは脱却し、ドラッグ・ライクな構造へと磨き上げられた。
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