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中枢薬ドラッグライクネス向上はCNS-MPOをクライテリアに絞込み

Pettersson M, Johnson DS, Subramanyam C, et al. Design and synthesis of dihydrobenzofuran amides as orally bioavailable, centrally active γ-secretase modulators. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2012.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X1200251X



2008年から2010年に報告されたγセクレターゼ調節薬(GSM)の特許化合物は、いづれも中枢薬に求められる化合物よりも脂溶性の高いものであり、脂溶性を低下させてドラッグライクネスを向上させ、かつ活性と薬物動態、中枢移行性を確保するのは挑戦的である。ドラッグデザインは、E2012のアリールイミダゾール構造から出発する。デザイン戦略は主に(a) マイケルアクセプターで毒性につながる桂皮酸アミドのオレフィン部分の変換、(b)物理化学的性質の改善、の2点に重点をおいた。ベンチマークの化合物1はclogP4.8と脂溶性が高くLipEは2.19、CNS MPOは3.7とスコアが低い。脂溶性が高く、極性表面積の高い化合物は血中濃度が10μM以上になると毒性リスクが高まる事が知られている。よって安全性マージンを確保する為に、脂溶性を低下させ、かつ薬物動態や活性を維持するドラッグスペースに落としこむ事を指向する。オレフィンをアミドに変換し、合成多様性と脂溶性の低下を獲得し、保存されているイミダゾールは保持、中央のベンゼン環には窒素を入れて脂溶性低下を図った。アミド化は5000種類以上が合成可能であるが、中枢薬のADMEToxドラッグスペースを狙ってCNS-MPOで4.0をクライテリアとして置換基を選択、活性と代謝安定性のバランスが良いのは18だが、LipEは2.71と不十分(Table 1)。脂溶性を低下させようとして3級アルコールを入れた19ではMDRの汲出の影響を受けてしまう。次にリンカーベンゼン環をヘテロ環に変換(Table 2)、ピリジン25でMDR排出系の影響を受けずに、clogPは0.5低下して活性は208 nMに向上、しかし代謝安定性に改善は見られない。再度、アミド側に戻って、極性基の導入はMDR排出の影響を受けるので、他社報告の部分構造を導入したり(33)、代謝部位になるようなベンジル部分を閉環したインダン34,そこから脂溶性を落としたジヒドロベンゾフラン35を合成(Table 3)。化合物35でclogPは3.96、LipE 3.55、CNS MPOは4.8とベンチマークの化合物1より優れたプロファイルを示した。そこで、さらにジヒドロベンゾフランに絞って置換基探索し、ベスト化合物43は、188 nMの活性、clogP3.96、MDRの影響を受けず代謝安定性が改善、この系統ではCYP阻害が問題になっていたが、この化合物ではCYP3A4, 2D6で30μM以下と弱い。LipEは4.18, CNS MPOは4.8。ノッチ選択性も十分。化合物35,43の2化合物で100 mpkで脳内Aβの抑制を確認した。
このようにして、公知の化合物情報1から、

化合物1:clogP = 4.8, TPSA = 47, LipE = 2.19, CNS MPO = 3.7
化合物43: clogP = 3.96, TPSA = 78, LipE = 4.18, CNS MPO = 4.8


clogPで1桁低下、LipEで2桁向上、CNS MPOで1桁向上に成功した。
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