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横綱級最難関テーマ・グルカゴン拮抗薬でヒトで優れた薬理作用を確認に成功

Xiong Y, Guo J, Candelore MR, et al. Discovery of a Novel Glucagon Receptor Antagonist N-[(4-{(1S)-1-[3-(3, 5-Dichlorophenyl)-5-(6-methoxynaphthalen-2-yl)-1H-pyrazol-1-yl]ethyl}phenyl)carbonyl]--alanine (MK-0893) for the Treatment of Type II Diabetes. Journal of medicinal chemistry. 2012.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22708876


創薬ターゲットとして最難関テーマのクラスB・GPCRであるグルカゴン受容体拮抗薬は、ファイザーやノボ社から数々の化合物が報告されてきたが、

http://medicinalchemistry.blog120.fc2.com/blog-entry-863.html

http://medicinalchemistry.blog120.fc2.com/blog-entry-594.html

http://medicinalchemistry.blog120.fc2.com/blog-entry-579.html

その研究を開拓的に切り開き、テーマの牽引役となったのはMerckの研究者たちである事は間違いない。

http://medicinalchemistry.blog120.fc2.com/blog-entry-587.html

http://medicinalchemistry.blog120.fc2.com/blog-entry-582.html

http://medicinalchemistry.blog120.fc2.com/blog-entry-579.html


http://medicinalchemistry.blog120.fc2.com/blog-entry-576.html

http://medicinalchemistry.blog120.fc2.com/blog-entry-580.html


そんな最難関テーマで、Merckは重要なマイルストーンとなるヒトでのPOCを取得した。その開発化合物MK-0893の報告である。グルカゴン拮抗薬は3方向に広がるファーマコフォアを持ち、βアラニンを必須置換基として有するが、ここではその一つでMerckが見出したピラゾール系化合物2の置換基X, Y, Zの最適化を検討した。まず、置換基Xは活性を残すために基本骨格は維持し、置換基Rにメチル基の挿入を行った。置換基Zはトリフルオロメトキシ基のシャッフルと置換基を拡張したナフタレンを検証した。結果として、メトキシナフタレン9eで活性が向上し、さらに置換基Rに(S)-Meを入れた9mで結合活性は6.6 nM、15.7 nMの拮抗活性、カウンターアッセイのGIPについては1019 nMと選択性が確保されていた。置換基Yの変換では良好な代替基を見いだせていないので(Table 2)、代表化合物を9mに選んだ。活性の種差はヒトに比べて、サル、イヌ、マウス、ラットの順で弱くなる(Table 3)。クラスBの他のファミリーであるGIP、GLP1、PAC1、CPAC1、CPAC2についてはいづれも1μM以下と活性は弱い。経口吸収性はマウス、ラット、イヌ、サルで良好であった(Table 4)。容量依存的に化合物の血中濃度はあがり、グルカゴン、GLP1濃度も向上した(Fig. 4)。オフターゲットのhERG阻害活性は10μM以下で、興味深い結果は置換基Zのパラ位のCF3がhERG阻害に関連しているという点である。CYP2C8に対しては2.7μMとやや強いが、他のCYP阻害作用は誘導の懸念はなかった。ラット5週安全性試験をクリアしたので、開発化合物MK-0893に選定した。フェーズIIaでは200, 100 mgの単回投与で、59%近くのグルコース誘発耐糖能改善作用を確認した。フェーズIIbでの糖尿病患者による12週間試験 (60もしくは80 mg qd投与)では、絶食レベルに相当する血糖値-53もしくは-63 mg/dL、ヘモグロビンHbA1c は-1.1もしくは-1.5%を達成した。その成績は、メトホルミン1000 mg bid投与の-37 mg/dL, -0.8%を圧倒する卓越した成績であった。
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趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

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