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新規骨格創出の為の3つの方法、膜透過性ガイドライン、ビフェニルアミンの変異原性回避に電子欠損ヘテロ環導入と環捻れ

Motiwala H, Kandre S, Birar V, et al. Exploration of Pyridine Containing Heteroaryl Analogs of Biaryl Ureas as DGAT1 Inhibitors. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2011.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X11010559

Fox BM, Iio K, Li K, et al. Discovery of Pyrrolopyridazines as Novel DGAT1 Inhibitors. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2010.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X10011893

Bali U, Barba O, Dawson G, et al. Design and synthesis of potent carboxylic acid DGAT1 inhibitors with high cell permeability. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2011.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X11017227



 DGAT阻害薬として新規骨格を創出する3つの報告。まず第1報目は、ピラマル社のパテントバスター。アストラゼネカやバイエル社のビフェニル部分のベンゼン環をピリジンに変換した。さらに、右上アミノ酸部分はL-バリンで活性強く(Table 1)、ウレアの末端フェニルはフッ素を入れると活性向上(Table 2)、ピリジンのNの位置はシフト可能(Table 3)である事を確認し、独自の骨格を創出している。
 第2報目はアムジェン社のデザインでフォーカス・ライブラリーから見いだしたピロロトリアジン1の母核をピロロピリダジン2aに変換して活性とACAT1選択性向上、エステルはアイソスターのオキサジアゾールに、その置換基はアリルやフェニルといったπ電子性の種類で活性が向上する事を見出した。
 第3報目は、プロシジョン社のバーチャル・スクリーニング・ヒットからのリード探索である。これによって見出した化合物3は、340 nMの活性を有するが細胞系活性は20μM以下と弱く、膜透過性は低く、Pgp基質となって汲み出しを受けていた。この化合物のlogDは-2.1と極性が極めて高いので、適切な値に脂溶性を高めて、膜透過性の課題を解決し、細胞系活性の向上を狙っている。まず左末端のフェニルを変換、ナフタレン6やベンゾチオフェン7で阻害活性は向上、ナフタレンの等価体としてジクロロフェニルとした9で活性は維持、炭素を増炭したジクロロベンジル10で活性は向上した(Table 1)。Xのチオエーテルリンカー酸化的代謝部位となるので、これをエーテルリンカー13に変換、活性は維持した。しかし、これらの変換ではいずれも細胞系活性は改善の傾向がない。化合物9の膜透過性に目を向けてみると、膜透過性は極めて低く、Pgp排出比は90倍以上と高い(Table 2)。 Pgp基質となるのはN+O>8、分子量>400とのガイドラインがあり(Didziapetris, R; Japertas, P; Avdeef, A and Petrauskas, A, J. DrugTargeting 2003, 11(7) 391-406)、ヘテロ原子と分子量を低減させる事が解決策になりうる。リンカーXの変換によって14や15のように膜透過性は改善し、活性は向上したがPgp排出比は依然高い(Table 2)。そもそも末端のカルボン酸をアミド化すれば活性は維持できる(Table 3)。中央アリールリンカーはヘテロ環に変換可能(Table 4)。アミドが加水分解された際に生成するビアリールアミンは変異原性リスクが懸念される。確かにビアリールアミン29では変異原性頻度が24倍で確認される(Table 5)。しかし、一つのベンゼン環をピリジンにした30では頻度は2.6倍まで低減された。ベンゼン環をピリミジンにし、もう一方のベンゼン環にメチル基を入れた31では変異原性リスクを回避できた。ここではニトレニウム体の生成が毒性発現につながると考えられるが、電子欠損性の芳香環とメチル基によって捻れた芳香環によって、活性代謝物の生成を軽減したと考えられる。代謝物にも癌原生リスクのない化合物22は、DGAT1阻害活性IC50は0.11 μMで、細胞系活性は0.43 μMであり、膜透過性は向上し、Pgp基質は回避した。ビフェニルアミン変異原性の回避は、製薬各社が種々のアプローチをとっているが、プロシジョンのDGAT阻害薬では電子欠損ヘテロ環+環捻れで回避した。
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