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構造機能選択性相関:セカンド・メッセンジャーのcAMPとβアレスチンを制御

Chen X, Sassano MF, Zheng L, et al. Structure-Functional Selectivity Relationship Studies of β-Arrestin-Biased Dopamine D(2) Receptor Agonists. Journal of medicinal chemistry. 2012.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22845053


GPCRのリガンドで標準的な(カノニカルな)シグナルと非標準的な(ノン・カノニカルな)シグナルの強度を調節できれば、薬効を引き出しつつ副作用を回避する、という事が可能になる。ところが、実際のところ、このような構造ー機能選択性相関(SFSR)を取得してリガンド探索した事例はほとんど存在しない。ここではD2Rリガンドを題材に、cAMPとβアレスチンの2つのシグナルについてSFSRを取得し、cAMP活性を消失させ、βアレスチン活性でアゴニスト活性を有するリガンド探索を報告している。リード化合物はFDAから既に承認済みのアリピプラゾール1であり、βアレスチンで4 nMの活性と62%のEmax、cAMPで1.0 nMの活性と51%のEmaxと、両方のシグナルで部分作動活性を示している。アリピプラゾールを1)左側フェニル環、2)隣接する環状アミン、、3)中央リンカー、4)右側の2環性構造、の4箇所をそれぞれ最適化した。SFSRとして1)2,3-ジクロロ基の変換ではcAMP、βアレスチン両方の活性がついてくる(Table 1)、2)ピペラジンはピペリジンに変換するとcAMP、βアレスチン両方のEmaxが上昇する、環拡大したホモピペラジンはEmaxが低下し、特にcAMPは20%以下と低い(Table 2)、3)ブチルエーテルを他の代替リンカーにするとEC50は大きく減弱し、特にcAMPのEmaxは20%以下とβアレスチン選択的なプロファイルを示す(Table 3)、4)代替縮合環の多くでβアレスチン選択性を獲得し、活性も8乗オーダーを保持していた(Table 4)。これらのSARから見出した置換基のコンビネーションの化合物がTable 5で、化合物35、UNC9975 (化合物44) 、UNC9994 (化合物36)が代表化合物である。既に報告済みのように、化合物36,44で抗精神作用を確認、またカタレプシーは見られず、薬理作用はβアレスチンノックアウトマウスで消失する。また、ここではPCP誘起自発運動量亢進を抑制し、βアレスチンノックアウトでは薬効が消えた事からも、βアレスチンが抗精神作用に寄与している事が理解できる。

βアレスチンのバイアスド・アッセイについては下記の紹介もある。

http://medicinalchemistry.blog120.fc2.com/blog-entry-615.html
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