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代謝安定性改善を試行錯誤しGPR142作動薬のPOC取得

Du X, Kim Y-J, Lai SJ, et al. Phenylalanine Derivatives as GPR142 Agonists for the Treatment of Type II Diabetes. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2012.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X12010049

先の報告の通り、ヒット化合物1の最適化で見出した化合物2は93 nMの活性のフルアゴニスト作用を持つが代謝安定性が低く経口吸収性に問題があり、POC検証のツール化合物としては問題があった。POC確認用にPKの良い化合物探索の為に、Scheme 1の化合物2の環をA-D環として、最適化を行った。まずD環のチアゾールの代替基として種々のヘテロ環を検討、特にチアゾールの等価体でもあるピリジン6で活性が1桁向上した95 nMを示したが、いづれの化合物も代謝安定性は極めて悪いままであった(Table 1)。D環とアミンを挟むベンジルタイプのメチレンリンカーが代謝部位になると考えて、リンカーをエチレンに増炭したり、芳香環を脂溶性の低い飽和環にしたものを検証したが、代謝安定性の改善が認められるも活性との両立が出来なかった(Table 2)。そこで代謝を受けるメチレンリンカーをかさ高い置換基でブロックする方針をとった(Table 3)。モノ置換のメチル18,19やエチル20では代謝安定性が改善せず、ジメチル21では代謝安定性は改善しないまま活性までも2桁低下した。ところがこれをシクロプロピルにした22では代謝安定性が改善し、特にヒト代謝安定性が激的に改善し、活性も54 nMと向上した。ジメチルをシクロプロピルに閉環しただけの違いであるが、平面性を獲得した事が代謝安定性の改善と活性を出す為の無理ない構造をとる事ができたと考えられる。化合物22の薬物動態を調べたところ、非常にクリアランスが高く、酸化的1次代謝のみならず第2相抱合の影響と考えられた。抱合のリスクがあるとすればB環のピリドンであり、ピリドンNHを潰して酸性基25や塩基性基26を入れた(Table 4)。しかし、代謝安定性は大幅に改善したがビボのクリアランスは依然として高い。しかし、ピリドンをメトキシピリジンにした27ではビボでのクリアランスが大幅に改善した。ただし、この化合物では蛋白結合シフトが大きい為にビボでの検証には不十分である。そこで次にこのB環の代替基探索に注力した。B環に関しては、前報でピリミジンが許容する事がわかっていたので、類似のヘテロ環のチアジアゾールを利用した。またこの段階で、シクロプロピルアミンはCYP3A4TDIを起こす要因である事が判明したので、これを回避する方針をとった。最初の化合物34は86 nMのフルアゴニスト活性を示し、代謝安定性も悪くはなく、経口吸収性は10%、ビボでのクリアランスも低かった。次にA環のピリジンをイミダゾール36やチアゾール37にするとクリアランスが高くなってしまう。A環ピリジンにメチルアミンを導入した35では経口吸収性は36%に改善したが、HEK293細胞を使ったアッセイでは37%の部分作動活性で、科学的にも弱酸性で分解するほど不安定であった。上記の背景から、ツール化合物としては22を利用する事とした。この化合物は用量依存的にインスリン分泌促進作用と血糖低下作用を示し、これは血中濃度と良い相関を示した。
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趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

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