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SBDDの総仕上げでBACE阻害薬開発化合物創出

Stamford AW, Scott JD, Li SW, et al. Discovery of an Orally Available, Brain Penetrant BACE1 Inhibitor That Affords Robust CNS Aβ Reduction. ACS Medicinal Chemistry Letters. 2012:120726133000006.
Available at: http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ml3001165

SBDDで見出したヒダントイン系阻害薬1はBACE1活性79 nMのLE0.35を達成した事で一つのマイルストーンを刻んだと言えるが、細胞系活性は2250 nMと弱い。ビフェニル置換基とベンゼン環の二つの置換基を変換した化合物2では活性は5 nMに改善したが細胞系活性には16倍以上の乖離がある84 nMであり、脳内移行性も0.2でCSF中のAβ40を50%低下させるには30 mg/kgの用量を必要とした。細胞系活性の向上と脳内移行性の改善による用量低下を目指して、イミノヒダントインを環拡大したイミノピリミジノン3をデザインした。この変換は塩基性の上昇によって細胞系活性を向上させる事が期待できる。さらにS1方向のポケットはヒダントイン系と重なりあうが、置換基Rはイソロイシン118方向を向く為にフェニル基よりも小さなメチル基でフィットさせ、低分子化できるメリットが期待できる。この仮説は実際に中枢薬のドラッグスペースに注意を払いながらのSAR取得によって確認された(Table 2)。置換基Rは小さなメチル基で活性が保持され(化合物4、5)、大きなフェニル基にするとむしろ活性は減弱した(化合物7,8)。ビフェニルのリンカーAr1であるベンゼンを等価体のチオフェンにすると活性は向上し(化合物5 vs 化合物10−12)、末端Ar2のシアノベンゼンをプロニルピリジンにした13−15で活性は向上した。最後にAr1のチオフェンにクロロ基を入れた16では活性は20倍向上した1.7 nMを示した。この化合物はBACE2に対しては選択性がないが、ホモロジーの高いカテプシンDに対しては21倍の選択性、カテプシンEやペプシン、レニンに対して260倍以上の優れた選択性を有していた。化合物16のBACE蛋白との複合X線結晶情報から、アセチレンがS3サブポケットにはまってAla335と疎水的相互作用に預かっており、フラップ領域のコンフォメーションがより閉じた構造をとって母核のイミノピリミジノンのメチレンと近接しており、この2つの相互作用が活性発現に大きく寄与していると推定された。Caco2膜透過性に優れ、Pgp基質による排出リスクも低く、代謝安定性に優れ、ラットでの経口吸収性は69%、脳内移行性は3と高く、血中半減期は2.8hと持続的であった。この優れたプロファイルは脳内、CSF中のAβ40のED50は4 mg / kg、6 mg / kgと低容量で薬効を示すプロファイルに反映した。こうして見出したMK-8931によって臨床開発へと検討が進められた。
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