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次世代5-HT3拮抗薬、課題解決の構造変換、作用様式変換、デュアル作用への変換

Yang Z, Fairfax DJ, Maeng J-H, et al. Discovery of 2-substituted benzoxazole carboxamides as 5-HT3 receptor antagonists. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2010;20(22):6538–41.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X10013296

Manning DD, Cioffi CL, Usyatinsky A, et al. Novel serotonin type 3 receptor partial agonists for the potential treatment of irritable bowel syndrome. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2011;21(1):58–61.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X10017051

Asagarasu A, Matsui T, Hayashi H, et al. Discovery of a novel 5-HT(3) antagonist/5-HT(1A) agonist 3-amino-5,6,7,8-tetrahydro-2-{4-[4-(quinolin-2-yl)piperazin-1-yl]butyl}quinazolin-4(3H)-one (TZB-30878) as an orally bioavailable agent for irritable bowel syndrome. Journal of medicinal chemistry. 2010;53(21):7549–63.
Available at: http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jm1002292

5-HT3拮抗薬のファースト・イン・クラスとなったロトロネックス(アロセトロン)(Fig. 1)は、上市後直ぐに虚血性大腸炎が極稀に副作用として起こる事から自主回収に至った。その後、患者の強い要望によってアロセトロンは厳しい制限の元に市場に復活したが、FDAの制約の為にまだIBS患者には広く利用されてはいない。実際のところ、この副作用が5-HT3拮抗作用に固有のものなのかは議論の余地があり、制吐剤としては非常に良い薬効を示す上に虚血性大腸炎は報告されておらず、2008年には日本でIBS、IBD治療薬としてアロセトロンが承認された。このような背景の元、次世代5-HT3拮抗薬にはアロセトロンの持つ課題を解決する事が求められる。アロセトロンの問題の一つは代謝を受けやすい点にあり、肝臓で代謝され非常に多くの代謝物を与える。そのために、重度の肝障害患者には禁忌である。第1報でのドラッグ・デザインは、ザトセトロンやアザセトロンがアミドと隣接するエーテル酸素原子とが水素結合を形成していると考え(これを共有結合で3環性にしたのがパロセトロン)、ザトセトロンを2環性芳香化したベンゾオキサゾールに変換した化合物を検討している。デザインの根拠はベンゾオキサゾール酸素原子もしくは窒素原子がアミドと分子内水素結合している事を想定している。実際にこのデザインした化合物は活性があり、またカルボキサミド側鎖の置換基として2種類(Q, G)、2位の置換基には芳香環のフェニル基、非芳香環のピペラジン、モルホリンを用意し、置換基多様性を獲得してSARを取得した。アロセトロンとオンダセトロンはCYP3A4阻害、hERG阻害が強いのに対して、ここで見いだした化合物はこれらの課題を改善し、また代謝安定性も改善し、ビボで作用を示す化合物を見いだした。このように、分子内水素結合に着目し置換基多様性のある新規母核に展開した事が鍵となっている。第2報では5-HT3受容体のを部分作動薬によって副作用の軽減したIBS治療薬になるとの仮説の元で最適化している(Fig. 1)。ケモタイプは5-HT3拮抗薬からの展開であるが、この目的を達成し、競合実験によってアロステリックタイプでなく、競合的である事を確認している。また第3報では、5-HT1Aの2と5-HT3の5をハイブリッドしたファーマコフォア(Fig. 2)からデュアル作用薬をデザインしTZB-30878を創出している。
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趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

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