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Happy Accidents: Serendipity

http://books.google.co.jp/books?id=_zRyD6IRQnkC&printsec=frontcover&dq=Happy+Accidents:+Serendipity+in+Modern+Medical+Breakthroughs&source=bl&ots=GGJOkWVZDE&sig=zbN40U3SbOOXGqaU2G0w-sRlnCM&hl=ja&ei=kbUqTfr8B4WuuQOynZiRAg&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=2&ved=0CCsQ6AEwAQ#v=onepage&q&f=false

いくつか思いついたところを列記。

セレンディピティは単なる運や偶然ではなく、普段から少しの変化を見落とさない観察力、洞察力によって見いだされる。大切な事は発見を発見のまま終わらずに体系化して発展させて優れた成果につなげる事。パスツールの「幸運は用意された心に微笑む」。予測できない事、普通では説明がつかない事が起きると、それは未知なる新事実の前兆。ブラムバーグ「こと研究においては、ルールにあてはまらず、想像では説明のつかない例外の中にしばしば研究の本質が存在する」。新たな発見は、幸運、予測不可能な結果から生まれる。奇跡の幸運が与えてくれるもの「わかった!(ユーリカ!)」の瞬間に辿り着こう。反面教師は、マイケル・デ・モンテギュー「最低限しか知らないことほど、かたく信じられやすい。」(善意の思想から提案されたリピンスキールールも、その本来の意義を汲み取らない人にとっては、頑なに信じて疑わない”ドグマ”と化してしまう。)思いがけないことが起きた時は、自然界の呼応に従って検証し、ルール度外視に脱線してみる勇気が必要。既存のナレッジが通用しない世界に踏み出す勇気。ポール・エルリッヒが打ち立てたケモセラピー、受容体理論も、その後のナレッジで検証すると当時の作業仮説は決して正確をきするものではない。「不正確な作業仮説が真実を導くことすらある」。余りに新規な事象、概念の前では、作業仮説の可否は、その当時の技術で実験検証してもなお全てを解き明かしたとはいえないことすらある。重要なことは、人とは違う発想、切り口で物事を捕らえることができるか、人が手をつけていない未開拓領域に踏み込めるか。人と違う事を考える、違う事をやってみる習慣、他で思いつかない切り口をどれだけ提案できるか。NDAIDsもしくはCOX-2阻害薬のFAP(家族性腺腫性ポリポーシス)治療に対する可能性、サリドマイドの多発性骨髄腫治療薬としての復活、失敗事例から成功事例を引き出す多面的視点(医師も含む)(パラダイム転換)。明白な事は、プログラム化した研究は不健全な硬直をもたらし、独創的精神を阻害し、発見の過程で決定的な特徴・セレンディピティを抑圧する。科学的目標を近視眼的に設定すれば、発見のプロセスは妨害される。科学的発見はえてして予測不可能な時に起こるからだ。前世紀の詳細な遺伝子解析、分子生物学は細胞メカニズムのより正確な理解を目的にされたが、未だに幸運は大きな要素であり続けている。驚くべき事に、癌促進遺伝子も癌抑制遺伝子も元は正常細胞遺伝子で、ひとたび変異がかかれば癌化を誘起する。血液代用の研究が抗血管新生薬の発見につながった。獣医学が癌細胞抑制遺伝子のワクチン生成につながった。現在医学最大のセレンディピティの一つは、幹細胞が血液の放射線効果の研究過程で偶然発見されたという事だ。主たる抗癌薬は個々の思慮深い自発的研究者によって見いだされ、癌戦争の「ゲリラ兵」ともいうべき彼らは全く予測不可能な分野からそれらを創出しているのである(すなわち、化学兵器(ナイトロジェンマスタード)、栄養調査(メトトレキサート)、民間伝承(日々草アルカロイド)、細菌学(シスプラチン)、生化学(性ホルモン)、血液貯蔵研究(脈管形成阻害薬)、臨床観察(COX-2阻害薬)、胎生学(サリドマイド)。

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

チオフェンくらいはしっかり書こう

Caridha D, Kathcart AK, Jirage D, Waters NC. Activity of substituted thiophene sulfonamides against malarial and mammalian cyclin dependent protein kinases. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2010. Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X10006803.

Bioorganic & Medicinal Chemistry Lettersはほとんどリジェクトされる事なくパブリッシュされるというが、せめてチオフェンの構造くらいはしっかりと書いて欲しい。とはいえ、Bioorganic & Medicinal Chemistry Lettersの良いところは、ACSのように細々した投稿規定が定められているわけではないので投稿するのに手間ひまがかからないというところ。内容は玉石混淆で、非常にインパクトの強い内容から面白みも感じない報告まで幅広い。確かに、ACS系統のメドケム系ジャーナルも含めてその審査はお笑いぐさとまで揶揄される事があり、今回のBMCLの一件はそれが顕著に表れた例かもしれない。ただ、良くも悪くも投稿した著者が評価もされれば嘲笑も受ける点で自己責任、このジャーナルはそういう場だと割り切って読んでみると味わい深い。(今まで見たケース:開発化合物の構造が間違っていた、文章の書き出しでない名詞が大文字の出だしに。連報でパート1、2、4があってパート3がいつまでたっても出ない、などなど)
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趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

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