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ハイスループット脳内蛋白結合率測定と脂溶性との相関

Wan H, Rehngren M, Giordanetto F, Bergström F, Tunek A. High-throughput screening of drug-brain tissue binding and in silico prediction for assessment of central nervous system drug delivery. Journal of medicinal chemistry. 2007;50(19):4606–15.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17725338


中枢薬が効果的に薬効を発揮するには、中枢移行性のみならず脳内での蛋白結合率が重要な要素と考えらている。脳内での蛋白結合率を限外濾過で測定するのはスループットが極めて低い。アストラゼネカの研究者は、スループット向上の為に、LC-MSを組み合わせて、複数の化合物をまとめて測定する手法を見出した。ここで報告している手法は、単品でのアッセイ結果とよく相関している(Fig. 2)。脳内と血漿中の蛋白結合率にも相関が認められる事から、主に非特異的結合が関与していると推定できる(Fig. 5)。中枢での蛋白結合率は、脂溶性と高い相関があり、
clogP < 3の化合物であれば、非結合型化合物が1%以上の可能性が86%、clogP > 4の化合物であれば、非結合型化合物が1%以下のリスクが88.6%と推定していて、中枢薬のデザインをする上で目安にできる(Fig. 6)。

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

MMP13: 選択性獲得にSBDD、FBDD

Tommasi RA, Weiler S, McQuire LW, et al. Potent and selective 2-naphthylsulfonamide substituted hydroxamic acid inhibitors of matrix metalloproteinase-13. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2011;21(21):6440–5.
Available at: http://dx.doi.org/10.1016/j.bmcl.2011.08.087

Taylor SJ, Abeywardane A, Liang S, et al. Fragment-Based Discovery of Indole Inhibitors of Matrix Metalloproteinase-13. Journal of medicinal chemistry. 2011.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22017539


ノバルティスは、MMP13阻害薬で亜鉛結合サイトに典型的なヒドロキサム酸を有する化合物で、MMP2に対する選択性獲得の為に結晶情報を活かして最適化した。MMP2/13の活性はある程度相関があるが、Fig. 2のように選択性は出しうる。化合物12で選択性は100倍を越える。一方でベーリンガー・インゲルハイムは、FBDDを検討している。39μMのフラグメント1から出発し、エステル部分はケトンやアミド、オキサゾリンで活性は減弱もしくは消失、一方でインドール5位のアミドはリバースアミドにして若干活性・選択性が向上した。さらに、ベンゼン、ピリジン、イミダゾール11と変換し、ピラゾールからさらに置換基を伸長した化合物15で活性は10 nMに達する。LEは0.37とドラッグライクネスを担保している。

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

溶液安定性向上:電子非局在化させるスピロ環構築

Freeman-Cook KD, Reiter LA, Noe MC, et al. Potent, selective spiropyrrolidine pyrimidinetrione inhibitors of MMP-13. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2007;17(23):6529–34.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17935984

変形性関節症治療薬として期待されるMMP-13阻害薬は、ピリミジントリオンの溶液安定性に問題があった。この環の電子局在性を抑える事で課題をクリアできると考え、ファイザーの研究者は種々のスピロピリミジントリオンを合成したところ、スピロピロリジンで半減期が1000日以上の化合物を見いだした。ただし、この化合物はMMP-2、8, 12に対して100倍以上の選択性を有するが、高容量では線維増殖症が副作用として出ており、MMP-2に関連した副作用と懸念されている。

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

脂溶性低下で活性向上できる置換基が選択性と経口吸収性改善の鍵

Savi C De, Morley AD, Ting A, et al. Selective non zinc binding inhibitors of MMP13. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2011;21(14):4215–9.
Available at: http://dx.doi.org/10.1016/j.bmcl.2011.05.075

Savi C De, Morley AD, Nash I, et al. Lead optimisation of selective non-zinc binding inhibitors of MMP13. Part 2. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2012;22(1):271–7.
Available at: http://dx.doi.org/10.1016/j.bmcl.2011.11.034



MMPのような活性中心に亜鉛を有するプロテアーゼでサブタイプ選択性を出すには、亜鉛との相互作用を利用しない方法が考えられる。アストラゼネカはMMP7阻害薬でこのアプローチを利用したが、MMP13でも亜鉛結合サイトを持たないタイプを検討している。第1報では活性が7乗オーダーの化合物を見出してる。第2報では、亜鉛非配位型MMP13阻害薬1が高選択的・高活性だが経口吸収性の非線形が課題で、この解決を検討している。活性と選択性に重要な右側部分を保持してアミド部分を変換した。ここで鍵になる置換基はTable 1に示されている。環状、非環状、芳香環を探索的に検証し、ピリジンの2c, 2kでMMP2選択性は300倍を越える。またベンゼン環のメタ位置換基は置換基定数π値に反比例する。すなわち、脂溶性が低いほど活性は向上する。ジメトキシベンジル2lでは8乗の活性だがMMP2選択性は1000倍以上だがMMP14選択性は低い。ベンジル→シクロヘキシルメチルで活性は減弱、減炭したシクロヘキサン2rで活性は向上、単純なメチル2uは6.7乗の活性だがLEは高い。LLEで優れているのは2g, 2p, 2c。脂溶性と代謝安定性には正の相関(Fig. 2)。2uでPKが良いので(Table 2)、活性向上を目指してアミドの代替基を探索(Table 3)、スルホン13で活性が向上したので、スルホンアミドでアミドと同じ側鎖を導入したがマッチドペアは不成立(Fig. 3)、ことごとく活性は減弱した。そこで改めてアミドで非芳香環を探索、この際に鍵になった作業仮説は、ベンジルタイプでメタ位に極性基が許容しうる、という点である。このスポットを狙えば脂溶性を下げてかつ活性を向上でき、LLEが高められる。この仮設に基づいて合成したTable 4の中から見出した化合物21は37 nMの活性で他のMMP、AMDAM-TSの活性は5.1μM以下と極めて選択性は高く、hERG、溶解度、CYP阻害、フォスフォリピドーシス、ラット以外では経口吸収性は良く、ヒトでは1日2回投与で薬効を見れる化合物と期待されている。

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ハイブリッドデザインで経口吸収性あるPTP1B阻害薬創出

Basu S, Prasad UV, Barawkar D a., et al. Discovery of novel and potent heterocyclic carboxylic acid derivatives as protein tyrosine phosphatase 1B inhibitors. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2012;22(8):2843–9.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X12002715


アドビナス社はPTP1B阻害薬のMerck化合物Iとアボット化合物IIをハイブリッドして活性が1.1μMの化合物7aを見出した。フェニルケトンをフェニルオキサジアゾールに変換し、末端の置換基変換して見出した19cは0.3μMの活性で経口吸収性を示した。

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Author:Janus
趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

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